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カーボンキュア技術でCO₂を注入すると何が起こるのか?

 セメントと水がミキサーの中で出会うと、セメント粒子表面に薄い水和物(Ca(OH)2)の膜を形成し、1−3時間は水和の進行を妨げます。その間に流動性を保つことで生コンクリートを現場に運搬し、型枠に流し込んで締め固めを行う事が出来るのです。

 カーボンキュア技術は、その練り混ぜ開始直後から数分間に起こる反応に着目したものです。練り混ぜ時に直接ミキサーに注入されたCO₂は、水に炭酸イオンとして溶け込み、初期水和にセメント相に放出されたカルシウムイオンと結合してナノサイズの炭酸カルシウム結晶を形成します。

 この炭酸カルシウム結晶の形成は、生石灰に水を加えた消石灰に変わる際に起きる発熱反応と同じです。二酸化炭素の注入から60秒以内にセメント相の温度の上昇が確認され、水和量の増加が確認されました。1m3のコンクリート練り混ぜに水を180kg(骨材表面水を含む)用いた場合、初期水和でセメント相に溶解できる水酸化カルシウムの量は、僅か306グラムです。CO₂を注入することで一部の水酸化カルシウムは炭酸カルシウムへと鉱化し、飽和状態は解消され、水を生成し、さらに水酸化カルシウムの溶出を促進します。

 その後の水和反応は、通常のコンクリートと同じ道のりを辿ります。型枠に収まったコンクリートは、アルミン酸三石灰(CA)と液相に溶け出した石膏が反応してエトリンガイドを生成し、凝結が始まります。凝結が終結すればコンクリートの骨格の出来上がりです。さらに珪酸三石灰(CS)珪酸二石灰(CS)の水和へと進み、エトリンガイドの間隙を埋めて強度を増して行きます。

 さらに、初期水和で形成されたこのナノサイズの炭酸カルシウムは、水の存在下で核となって珪酸三石灰及び珪酸二石灰に対する反応に寄与し、炭酸カルシウムケイ酸カルシウムゲル水和物が形成される事は公知として知られています。この特徴的な二酸化炭素の直接混入練り混ぜ法によって、劇的に初期における水和量の増大をもたらし、すべての材令での圧縮強度の増加が確認されました。それによって、5−8%の単位セメント量の削減を可能にしたのです。

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